マンション管理規約の見直しはなぜ必要?|管理規約の決め方や定めておくべき事項
マンションの管理規約は、マンションの管理運営についてのルールを定めた重要なものです。
では、マンション管理規約の見直しは必要なのでしょうか?もし必要だとしたらしっかりと見直しは出来ているでしょうか?
今回は、マンション管理規約の見直しについて解説します。
管理規約の見直しを検討している場合は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
マンション管理規約の決まり方
多くのマンション管理組合では、その管理規約を国土交通省が作成している「マンション標準管理規約」を参考に作られています。
管理規約は本来それぞれのマンションの実態に応じた内容で作成されていることが望ましいものですが、国土交通省が定めているマンション標準管理規約に準拠していれば、ほぼ問題はないと言えるでしょう。
ただ注意しておきたいのは、マンション標準管理規約は、定期的に改正されているということです。
令和3年の6月には「管理組合におけるITを活用した総会・理事会のルールの明確化など」について改正されました。
あなたがお住まいのマンションでは、ひょっとしたら改正に合わせてその管理規約を見直した方が良いケースがあるかもしれません。
見直しをすることで、時代の背景に応じた新たな規約の下で快適なマンションライフを送ることができるでしょう。
マンション管理規約の改正を行うには
管理規約は、多くの場合がその作成当時のマンション標準管理規約を参考に作成されていることが多いのですが、それぞれのマンションで規約を変更することも可能です。
しかし、規約を変更するには必要な手続きが法律で定められています。
区分所有法の第31条には規約の設定、変更及び廃止に関する規定が定められています。
この規定によれば、管理規約の改正には、特別多数決議(区分所有者数および議決権数の各4分の3以上)が必要となっています。
マンション管理規約の見直しが必要な理由
マンション管理規約の見直しをしたほうがよい理由の一つとして、快適な住環境の確保及び居住者間のコミュニケーションの円滑化があります。
管理規約を時代の背景にあった最新のものに見直すことにより、快適な生活を送れるとともに居住者同士の無用なトラブルを避けることができるでしょう。
たとえば、
- 現在の生活様式に合っていない
- 曖昧な規定による居住者間トラブル
- 曖昧な規定による組合員と管理組合とのトラブル
このようなトラブルは、管理規約の定期的な見直しにより回避できるでしょう。
マンション管理規約で定めておくべき主な内容
マンション管理規約で定めておくべき内容の代表的なものとして、以下があります。
- 専有部分と共用部分について
- 区分所有者の費用負担について
- 管理組合の業務、運営に関して
- 区分所有者の禁止事項について
- 区分所有者に対する制裁・措置に関して
それぞれがどのような内容なのか、以下で解説します。
専有部分と共用部分について
マンション管理規約では、区分所有の対象となる「専有部分」と、それ以外の「共有部分」の線引きについて、どのように区別するかを定められます。
たとえば、天井や床、玄関や扉などといったように細かく決めます。
区分所有者の費用負担について
区分所有者は、管理費や修繕積立金などの費用を負担します。
そのため、管理規約のなかで、区分所有者に対し費用負担を義務付けています。
なお、具体的な金額などについては、管理組合総会で決定するのが一般的です。
管理組合の業務、運営に関して
管理組合の業務や運営、組織についても、管理規約で定めます。
- 組合員の資格
- 管理組合の業務範囲
- 管理組合役員の役職・人数・選任方法
- 管理組合総会の招集・議事・議決事項
- 理事会の招集・議事・議決事項
- 管理組合の会計
管理組合を適切に運営するためにも、これらの事項を定めておきましょう。
区分所有者の禁止事項について
区分所有者は、区分所有法により、以下の行為を禁止されています。
- 建物の保存に有害な行為
- 建物の管理または使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為
マンション管理規約では、区分所有法の規定に加え、区分所有者に対して禁止行為を定められます。
例えば専有部分の用途に関して、居住用以外での使用を禁止することなどは、この禁止事項にあたります。
区分所有者に対する制裁・措置に関して
区分所有者が禁止事項に違反した場合の制裁についても定めることができます。
制裁については、主に以下の4つ。
- 共同の利益に反する行為の停止等の請求
- 使用禁止の請求
- 区分所有権の競売の請求
- 占有者に対する引渡し請求
訴訟手続きが必要となる内容については、弁護士へ相談しましょう。
マンション管理規約変更の流れ
マンション管理規約の変更は、主に以下の流れで行われます。
- 理事会・専門委員会での検討
- 理事会における規約改正案の決議
- 組合員への説明会
- 総会での決議
- 規約原本の作成
基本的には理事会が中心となって決めていきますが、マンション管理士等の専門家の支援を受けることをおすすめします。
マンション管理規約の見直しならマンション管理士にご相談ください
マンション管理規約の見直しは、マンション管理士にご相談ください。
先ほども述べたとおりマンション標準管理規約は、時代とともに変化しています。
しかし、マンション管理組合だけですべてを把握し、最新の情報をキャッチしつつ見直しまでを行うのは困難でしょう。
マンション管理士であれば、管理規約の改正も把握した上で、適正な管理規約の作成をアドバイスできます。
「マンション管理規約の見直しを数年間行っていない」と不安に感じているなら、すぐにご相談ください。