マンション管理費削減のポイント|管理費の相場から資金使途も
マンションでは共同生活の場として、マンションを維持管理していくためにさまざまな資金を必要とします。
大きく2つに分けて一般会計としての管理費、特別会計としての修繕積立金があります。
今回はこの一般会計としての管理費について考えてみましょう。
管理組合は組合員から集める管理費はできるだけ少なく抑えつつも、マンションの維持管理に関して、最大の効果を上げることが求められます。
管理費が高いと、組合員の負担が大きくなるため不満につながるケースも考えられます。
管理組合は、管理費を抑えるためさまざまな策を考える必要があります。
そこで管理費削減のポイントについて見てみましょう。
マンション管理費の使途
あらためて管理費の資金使途を見てみましょう。
マンションの規模によって多少異なる部分はありますが、国土交通省の「マンション標準管理規約」の27条では、以下の事項が挙げられています。
- 管理員人件費
- 公租公課
- 共用設備の保守維持費及び運転費
- 備品費、通信費その他の事務費
- 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
- 経常的な補修費
- 清掃費、消毒費及びごみ処理費
- 委託業務費
- 専門的知識を有する者の活用に要する費用
- 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
- 管理組合の運営に要する費用
- その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用
マンションを維持管理するためには、これらの費用が必要とされています。
マンション管理費の相場
次に管理費の相場について見てみましょう。
戸数や規模によって異なりますが、国土交通省の調査によると、相場は15,956円です。(出典元:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」)
同調査の戸数別の管理費用相場は、以下のとおり。
- 20戸以下:19,237円
- 21~50戸:15,049~16,997円
- 51~100戸:15,346~16,455円
- 101~500戸:15,069~17,703円
- 501戸以上:15,224円
傾向としては、総戸数が多いほど管理費用は安くなります。
マンション管理費の適正水準は一様には言えない
管理費の相場はあるものの、”適正水準はこれ”と一概には言えません。
適正水準が判断しにくい理由として、以下の3つがあります。
- 立地・規模・設備によって異なるため
- 管理委託費の委託条件が非公開であるため
- 仕様書がわかりにくい
上記の理由のため、マンション管理組合独自で適正な水準を調査するのは困難と言えるでしょう。
マンション管理費を削減するための見直しポイント
管理費を削減するためには、、まずは現状の分析を行い、以下のポイントを見直してみましょう。
- 管理委託契約内容の見直し(例:管理員の業務時間/清掃回数等)
- セキュリティの見直し
- 管理会社の見直し
以下でどのように見直していくのかを解説していくので、参考にしてください。
現状の分析
まずは現状の見直しをしましょう。
マンション管理会社に管理を委託しているのであれば、マンション管理会社に支払う費用が適切であるか、適切な業務をしているかなど。
古い契約のまま更新を繰り返していると、案外、現状に即していない内容になっている場合もあります。
どんな業務にどれ位の費用がかかっているのかを、一度必ずチェックしてください。
管理委託契約内容の見直し
例えばマンションに管理員が常駐している場合は、業務時間が適切であるか確認しておきましょう。
当然ですが、業務時間が長ければ長いほど、その分人件費は多くなります。
実際にどの時間に管理員が必要なのか見直すことにより、管理員の人件費を大幅に削減できる可能性があります。
また、管理会社に定期清掃を委託しているのであれば、回数を少なくして委託費を削減するという方法も考えられます。
ただし、清掃を減らした分汚れが目立ってしまうデメリットもあるので、管理組合として対策は考えておきましょう。
セキュリティの見直し
セキュリティを自動化すれば、管理費を削減することも可能です。
たとえば警備員を常駐させているマンションなどは、防犯カメラやセキュリティシステムを導入することにより、人件費の削減が可能です。一時的に設備の導入費用が発生するものの、長い目で見れば管理費の削減につながります。
ただし、セキュリティに関してはとても重要な項目なので、必ず住民の同意を得ましょう。
アンケートなどで住民の意識調査をすることが望ましいと言えます。
管理会社の見直し
管理会社の見直しも検討してみましょう。
管理会社によって、委託する業務内容の費用が異なります。
管理委託契約書に記載されている個々の業務についても費用を確認してみましょう。
マンション管理会社の選び方については、コチラの記事でも解説しているので、参考にしてください。
迷ったらコンサルタントへ相談
どのように管理費を抑えれば良いのかわからない場合は、コンサルタントやマンション管理士に相談しましょう。
管理組合は、マンションの所有者で構成されていますが、必ずしも全員が管理のプロというわけではありません。
そのため、今の管理費用が適切かどうかの判断が難しいケースもあるでしょう。
コンサルタントやマンション管理士は、マンション管理のプロです。
マンションの現状を把握しながら、さまざまな角度からアドバイスがもらえます。
マンションの管理費を削減するには
マンションの管理費を削減したいと思ったら、一度マンション管理士に相談してみましょう。
マンション管理士は、マンション管理に関するプロです。
最新かつ専門的な情報をもとに、適切にアドバイスします。