高経年マンションの耐震補強計画を進めるポイント

新耐震基準以前に建てられた高経年マンションでは、耐震化のための補強計画を考えなければいけません。
補強をおこなわなければ、もしものときの被害が甚大になってしまいます。
また、建物の復旧にも時間がかかり、暮らす場所がなくなってしまいます。
そこで今回は、高経年マンションの耐震補強計画を進めるポイントについて解説します。
①自分の暮らすマンションの耐震性について知っておきましょう
まずは、自分が暮らしているマンションの耐震性についてよく知っておくようにしましょう。
耐震診断をすれば、耐震性能が数値化されて、耐震上の問題がある場所がわかります。
もし専門的で難しいと思ったら、専門家に相談しながら理解を深めてください。
②複数の専門家に見てもらう
どれだけ構造設計に優れた建築士でも、耐震改修に不慣れな人もいます。
そのため、一人の専門家だけではなく、複数の専門家から意見をもらうようにしましょう。
③マンションの補強方法について理解を深める

マンションを補強するとなると「見た目が悪くなるのではないか?」と心配する方もいるかもしれません。
しかし、それは偏った知識です。
マンションの耐震補強は、必ずしも見た目が変わるわけではありません。
外観が大きく変わらない補強方法もあるので、複数の専門家から補強の方法について意見を求めてみてください。
④住民の話し合いの場を作る
どれだけ高経年のマンションでも、住民のほとんどんは耐震化に無関心です。
「補強にお金がかかる」となれば、抵抗感を示す住民もいるでしょう。
しかし、マンションの耐震化はとても重要な取り組みです。
耐震化を進めていくために、住民同士で話し合う場を積極的に作っていきましょう。
⑤マンション管理士に相談する
マンション耐震化の検討をするなかで専門的な知識が必要だと感じたら、マンション管理士へ相談してください。
マンション管理士であれば、管理組合の立場に立ちながら、一緒に補強計画を検討してくれます。
また、管理組合や住民の意見をまとめる役を担ってくれるので、補強計画がスムーズに進みます。
⑥他の工事と合わせるとスムーズ
マンションは一般的に12年~15年おきに共有部分、外装、防水などの大規模修繕工事をおこないます。
補強工事においても、大規模修繕の時期とあわせるとスムーズです。
⑦資金計画を見直しておきましょう

多くのマンションでは、長期修繕計画に基づいて修繕積立金を積み立てているかと思います。
一方で、耐震化の費用は積み立てられていません。
そのため、補強工事をおこなってしまうと、今後の費用について不安を感じる方もいるでしょう。
このような不安を解消するためにも、資金計画は早めの見直しが大切です。
管理組合だけで資金計画をつくれない場合は、マンション管理士などと一緒に資金計画をたてていくと良いでしょう。
⑧助成金を活用する
補強工事の費用が捻出できない場合は、国や自治体の助成金を活用しましょう。
ほとんどの場合で耐震診断・耐震補強に助成金が使用できます。
助成金の申請方法などが分からない場合は、専門家に相談しながら進めると良いでしょう。
高経年のマンションは早い段階で補強を進めましょう

高経年のマンションにそのまま暮らしていると、いざ何かあったときに大きな被害になる可能性があります。
とくに地震の多い日本においては、耐震補強は必要不可欠です。
ですから、耐震補強はできるだけ早く進めていきましょう。
もし資金計画や住民の同意が得られないなどでスムーズに進まない場合は、マンション管理士までご相談ください。
管理組合の立場で、適切な補強計画をたてていくので、疑問点、不安点、お困りの内容をお話ください。
また、補強計画をおこなう際は、合わせて別の部分の改善なども検討するのも良いかもしれません。
最新の設備などを取り付けて見た目も綺麗に新しくなれば、住民の賛同も得やすくなります。
このような場合の設備選びについてもご相談いただければ提案いたしますので、どのような疑問もお気軽にご相談ください。